関東周辺 子供と温泉だよ 温泉ソムリエによる
 幼児・子供の温泉入浴マナー


 最近は、子供と親が「銭湯」などを利用することがないことからか、公共の場での入浴マナーが守れていない大人や子供が見受けられます。
 銭湯や温泉は、不特定多数の様々な人が利用する場で、自分の子供や自分たちだけが勝手気ままに利用できる場所ではありません。ヨーロッパやアメリカなどと比較しても、親が子供に行う教育と言う部分で、日本人はまだまだ遅れていると感じます。
 自分の子供がマナーを守れる大人になれるよう、マナーを守って温泉などを利用しましょう。

子供連れ・幼児連れでの旅館・ホテル宿泊マナー

 旅館やホテルなどでは、たまに部屋などで、走り回ったり、大声を出したりするなど、うるさい子供たちを見かけます。
 しかし、旅館やホテルなどは当然公共施設です。館内では、自分たちだけ勝手なことをして良いと言う訳ではありません。
 部屋(個室)の中でも隣の部屋、階下や階上の部屋には他の客が宿泊しています。
 数分など短い時間、少々くらい、子供がはしゃぐのは仕方ないとしても、他の客と一緒になる場所でも騒いだり、夜間・深夜や早朝に大きな音を出したりするのは、当然慎まなければなりません。
 具体的には、部屋の中では、夜間や早朝に、走ったり、はしゃいだりしない。大声を出さないなどの注意が必要です。マンションやアパート同様に、特に階下の部屋にはその騒音が響いてしまい、迷惑をかけてしまいます。階下に今日は誰もいないだろう?はあなたの自分勝手な解釈です。
 ロビーや廊下、浴場などでも、子供が騒いだり、大声を出したり、走り回ったりしたら、きちんと親が注意を充たえ、静かにさせるの必要な教育です。
 親が注意をしないと、他の人から注意を言われることもあるでしょう。そんな時は、相手の言葉を真剣に受け止め、謙虚な姿勢でお詫びしなくてはなりません。逆ギレでもしたら、それこそ「バカ親」と見られてしまいます。
 一番取ってはいけない態度は、お金を払っているのだから何をやってもいいだろう!と言う態度を取ることです。お金を払っても守らなくてはならない事を守るのは当たり前の事です。

入浴マナーを守ろう (子供・大人共通)

 脱衣所で服などを脱いだら、浴室にはタオルを1枚持参します。
 髪の毛が長い方は、湯舟に髪の毛が入らないよう、束ねたりする必要があります。
 浴室に入ったらまず「かけ湯」で体にお湯を掛けましょう。正しい掛け方は、足→ふくらはぎ→おなか→肩と言う様に、心臓に遠い箇所から順番に掛け湯して、体を徐々に慣らすのが良いです。
 掛け湯は、体についているホコリなどを除去するだけでなく、これから入る熱い湯に少しでも事前に体を慣らすと言う重要な意味もありますので、必ず掛け湯をするのがマナーです。もし、浴槽の湯が熱すぎで子供が(大人でも)入れないと言う場合には、熱い浴槽の湯を桶で汲んで、何回も(10回以上)掛け湯させましょう。熱い湯に体が慣れて、熱い浴槽でも不思議に入浴できてしまいます。
 掛け湯をしたら、カラン(洗い場)で体を洗ってから、浴槽へ入るのが一番良いマナーです。ただし、アルカリ性温泉なら体は手に石鹸をつけて洗う程度にして、タオルは使わない方が温泉効果を高め、肌にもやさしいです。逆に酸性湯ならば、体を石鹸で洗わなくても殺菌されますが、体が土ホコリなどで汚れている場合は、浴室にある酸性湯用の石鹸で洗うと良いでしょう。
 なお、タオルは新品でキレイな状態でも、浴槽の湯に入れるのは衛生上非常に問題で、もちろんマナー違反です。
 もし、体を洗わずに浴槽へ入ったり、長い髪の毛を浴槽に浸けたり、タオルを浴槽に入れると、体・髪の毛・タオルに付着しているレジオネラ菌を浴槽に入れてしまう恐れもありますので注意しましょう。タオルを濡らしたい場合には、浴槽に漬けるのではなく、浴槽のお湯を桶に汲んで濡らすようにしましょう。

 大変細かい事を申し上げると、隣の人に掛けないよう注意してシャワーを浴びる、浴槽に入ってからお湯の中を歩く際にはできるだけ波を立てないなどと言う事も温泉マナー・銭湯マナーです。

 原則として、浴室から脱衣所に上がる前にはシャワーなどは浴びず、温泉浴槽から出たまま=温泉成分が身体についたままの方が温泉効果が残ります。ただし、塩素消毒している温泉などの場合には、シャワーなどで温泉成分と塩素を落としてしまうのには反論はできません。
 いずれにしても、浴室から脱衣所へ出る際には、出口付近で、持参したタオルで身体の水分を拭き取ってから、脱衣所に上がるのがマナーです。

 さて、脱衣所、休憩室、特に仮眠しているような静かな場所で携帯電話の通話をする大人も見受けられます。脱衣所で携帯電話を使用すると写真や動画撮影(盗撮)していると疑われることもあります。携帯電話はロビーなどに出て使いましょう。浴室や脱衣所でデジカメ撮影することも絶対にやめましょう。もし、写真を撮っている方がいるのなら、施設側に許可は取ったのか?と注意しましょう。

 最後にマナーではありませんが、湯上り後には速やかに水分補給して、体調管理を行いたいですね。

乳幼児・幼児・小学生など特に注意したい入浴マナー

 幼児や子供と一緒に入浴すると、子供にやさしく声を掛けてくださる大人もいますが、大人全員が幼児や子供の入浴を歓迎していると勘違いしてはいけません。中には、せっかく癒しや安らぎを求めて入浴しているのに、騒いだりする子供が入浴するのは迷惑だと考える大人もいるようです。特に、子供を1度も持ったことがない大人にそのような傾向が高いと言えるようです。
 施設側が子供の入浴も許可している以上、子供にも大人同様にサービスを受ける権利がありますが、やはりマナーを守って入浴する・利用すると言うことは、自分の子供が正しい大人になる上でも大変重要な教育であり、子供がマナーを守るかどうかは管理責任者である親(保護者)の責任です。

 子供の大声や走る姿、扉を開けたあと閉めない、タオルをお湯に入れる、浴槽で泳ぐ、赤ちゃんの泣き声など、子供の入浴によるクレームは多い為、最近は小学生まで入浴不可なんて言う日帰り温泉施設も出始めています。

 施設によっては子供が親と一緒に公共入浴する場合、異性同士を禁止している施設もあります。また、条例などの法律により禁止している自治体もありますので、指示や表示には従いましょう。例えば、神奈川県なら条例(法律)で10歳以上は異性との混浴を禁止しています。

 プールではありませんので、浴槽で子供が泳いだら、親がきちんと注意するのは当たり前です。
 子供なので仕方が無い、他に入浴している人はいないし、子供がうれしそうなのでちょっとくらい良いだろうではなく、教育の一環として、小生は誰も入浴しておらず、誰にも迷惑を掛けない状況でも、絶対に子供には泳がせず、静かに入浴させます。お風呂は泳ぐところではありませんので、正しい入浴法で、当たり前の事だからです。
 なお、子供の耳は未発達ですので、40℃前後と高温のお風呂で泳ぐと「中耳炎」になる恐れがありますし、お湯を少しでも口から飲んでしまえば、余計な雑菌類を体内に入れてしまうことにもなりますので、お子様の健康上も好ましくありません。
 また、浴室などの床は濡れていて滑りやすいので、入浴する前に走らないよう子供に注意しています。転倒して頭でも打ったら大変です。いくら注意を促しても走るときは走りますが、何回も注意しているうちに、言わなくても走らなくなりました。

 幼児は入浴前に必ずトイレを済ませましょう。温度が変わる浴室に行くと、おしっこをしたくなるものです。
 乳幼児は特にオシリを良く洗いましょう。オムツが取れない乳幼児が浴槽へ入ることを禁止している施設では、浴槽へ赤ちゃんを入れることはできません。ただし、オケなどを使い、温泉を汲んで身体に掛けてあげる程度は問題ないです。

 施設によってはベビーバスが置いてあります。そのベビーバスに温泉を汲んで赤ちゃんを入浴しても良いですよと言う物で、大人が入る浴槽に赤ちゃんは入れないでくださいねと言う事です。施設のルールは守りましょう。
 >ベビーバスがある日帰り温泉施設

 子供と一緒に入浴する場合は、施設を訪れる前に下記の事項を子供に教えておくのも保護者の義務です。
 1.体を洗ってから湯船に入る  (みんなが裸ではいる温泉です。キレイに使いましょう。)
 2.建物内や浴室などで走らない  (濡れているので滑って転んだり、他人にぶつかったりして子供自身が危ないです。)
 3.大声で話さない  (普通に話す分には問題ありません。)
 4.泳がない  (プールと温泉の利用方法を間違えないように。)
 5.タオルを湯船に入れない  (キレイな新品タオルでも空気中の雑菌がついています。雑菌を湯に持ち込まないように。)
 6.混雑している時は洗い場などを長時間占領しない  (みんなが公平に順番に利用する場です。間違えないように。)
 7.湯上り時はタオルで体を拭いてから脱衣所に行く  (脱衣所がびしょ濡れになるような行為は自宅だけにして下さい。)
 以上の事項くらいは事前に教育しておいて、入浴中にも気をつける必要があると存じます。

 万が一、子供のことで周りの利用者に叱られる事があったら丁重に謝罪しましょう。逆に腹を立てたり、逆切れしてはバカな子にバカな親だと思われます。

 小生の場合は、家庭内では黙認するような事項でも、温泉や公共施設などでは少し厳しく子供に注意を促しています。もちろん、大声で注意することはマナー違反ですので、周囲の大人に聞こえる程度の声の大きさで、注意を促しています。そうすることで、子供を嫌う大人にも「あの子の親はきちんと注意をしている」と言う印象を与えることにより、例え子供が少し迷惑を掛けることになっても、穏便に見てくれているのではないかと存じています。それが功をなしたかどうかは分かりませんが、今までも1度も入浴中などに他人から注意をされたことはありません。
 もちろん、大人がしっかりマナーを守れて、初めて子供にも注意を促せるのですが、残念ながら子供の見本となる大人じたいがマナーを守れていないと言う状態も、時々見受けられもとても残念に思うのも事実です。

 

熱がある幼児は温泉入浴させない

 日本では熱があるときは入浴しないと言う傾向がありますが、それはお湯に浸かる行為が影響すると言う事ではなく、日本家屋の特徴から、特に冬季は湯冷めしやすく、症状を悪化させやすいと言うのが本当のところです。
 アメリカやヨーロッパなどでは発熱時でも体温よりやや低めの「ぬるめの湯」に入れて体熱を下げると言うのが一般的で、発熱時に入浴を禁じる絶対的な理由はありません。
 しかしながら、せっかくの旅行だからと熱がある幼児を無理に温泉へ入浴させた結果、症状が悪化し、その子の両耳の聴力を失った(聴覚障害者)と言う家族を存じております。ひとときの安らぎを家族で楽しもうとしたところ、その子の一生を左右する重大な結果を招いた悲しい例です。
 恐らくはカゼをひいていて、細菌が耳に入り中耳炎で発熱があるところ入浴した結果、湯ざめなどで更に症状を悪化させてしまったとそのお母さんは語ります。
 中耳炎は生後0歳〜5歳くらいまで掛かりやすく、特に赤ちゃんは自分で痛いと言えないので注意が必要です。大人ならともかく、幼児の場合、38℃以上の熱があるときは、予約済みでも取消して無理して旅行しない、温泉入浴させないほうが無難と言う事を頭の片隅に記憶して置いて頂けますと幸いです。

幼児と温泉入浴の際、持って行くと便利なもの

 初めての長距離移動でしたら、まず子供が「乗り物に酔うかも」と言う想定が必要かと存じます。
 幼い子供は「酔った」「気持ち悪い」と自分で分からないので「お腹が痛い」と言ったり、言わなくても息が荒くなったり、苦しそうにしたりします。そのような時には酔ったのかな?と言う可能性も考えてあげるようにしましょう。いざと言う時の為にビニール袋はすぐに取り出せるようにしておくと良いです。
 心配な場合、子供でも飲める酔い止め薬も発売されていますので、事前に準備すると良いでしょう。適用年齢の表示を良く確認して購入して下さい。
 また、幼児でも長距離の移動は大人と同様に疲れますし、急に「トイレ」と言い出すこともありますので、こまめに休憩を入れることも大切です。
 温泉旅館に宿泊する場合の持ち物としては、大きな公園での遊びする際の持ち物(タオル、着替え、帽子、日焼け止め、絆創膏など)にプラスして、ハブラシや、念のため子供用カゼ薬もあると良いです。
 宿泊施設によっては寝具無しの子供料金の場合、浴衣はないと思わなければなりません。その場合はパジャマも持参する必要があります。寝具つきの料金にしても、0歳〜4歳位の場合、子供用浴衣のサイズがあわないと言う事も考えられるので事前に問い合わせるか、パジャマを持参するかの対応が必要です。
 小生が宿泊の際、一番気を使ったのは赤ちゃんの夜鳴きです。0歳児の頃は、貸別荘や離れなどの部屋を予約して宿泊していました。
 夜鳴きは他の宿泊客の迷惑になりますので対策が必要です。夜に泣き出したときにはテレビをつけて見せると応急処置になるかと存じます。
 お子様の温泉入浴に際しては、入浴前と入浴後に水分補給をさせるのは当たり前ですが、一番肝心なのはその泉質にあった入浴法です。
 酸性湯の場合、アトピーには良いですが、皮膚が弱い子供は長湯禁物で、数分など短時間の入浴に留めることが重要です。湯上がり時にシャワーで体の温泉成分を流してしまうのも効果的です。
 強塩泉の場合、塩分が濃く、浸透圧により体内の水分がすごく奪われますので、脱水症状にならないよう、水分補給を入浴前にも行い、もちろん入浴後にも充分水分補給させることが重要です。
 もし、熱い湯で子供がのぼせてしまったら、浴室内では冷たいシャワーを頭に掛けたり、部屋では冷たい水につけたタオルをおでこに乗せて、頭を冷やすと効果的です。
 泉質によっては基準値以下ですが、ひ素などの有害物質が含まれている温泉もありますし、酸性湯は歯が溶けてしまいますので、温泉を誤って口に含んだり、飲まないように注意も必要です。飲用可の温泉をどうしても子供が飲みたいと言う場合には、大人が飲める規定量の半分以下として、最初は少しだけ味見程度にさせると良いです。大半の場合は、苦い・マズイと、飲むのをやめると思います。

総評

 アメリカやヨーロッパ諸国では、家から一歩出ると、外では子供がどこに行っても、優先・優遇される姿勢が市民に定着しており、子供に優しくしてくれます。その為、温泉などの公共施設や宿泊施設などを訪れると、子供はどこでも歓迎されますが、残念ながら日本は子供を温かく迎え入れると言う姿勢がまだまだ浸透していません。
 その理由には、親が子供に対してしっかりと責任を果たしていない、社会マナーを子供に守らせていないと言うことも一因なのかと存じております。
 例えば、旅館やホテルの部屋や、浴室で子供が騒いでも叱らないなど・・。
 子供を管理する親が責任を持って子供と一緒にマナーを守り、他の利用者の迷惑にならないよう、まずは気を配る必要があり、親がしっかりマナーを守り、子供にもマナーを守るよう教育ができてこそ、市民に温かく子供が迎え入れられる日がやってくるのかも知れません。




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